

静謐な内面世界を描き出すことで80年代イギリスでカリスマ的な人気を得たグループの初期の姿をシングル中心にまとめたもの。根強い人気の秘密を探るのに最適の作品。
ギターのロビン・ガスリーとベースのウィル・ヘッジー(その後、サイモン・レイモンドに交代)らが1979年ごろ、地元スコットランド、Grangemouthでエリザベス・フレイザーの個性的なヴォーカルを中心に結成したトリオで、デモ・テープが4ADのオーナー、アイヴォ・ワッツに認められ82年にデビューを飾る。
<パンク〜ニュー・ウェイヴ>以降の流れの中で、従来のロック的なサウンドに収まらないグループが沢山出てきて衝撃を与えていた時代であったが、その先頭に立ったのがコクトー・ツインズだった。ジョイ・ディヴィジョン、ヤング・マーブル・ジャイアンツといったアーティストたちの世界とも通じる内省的なサウンドが大きな特徴で、そこにエリザベスの瞑想的なヴォーカルが加わることによって、他のバンドでは作り得ない世界を構築したのだった。自閉的とも思えるエリザベスの性格のせいもあり、派手な活動やプロモーションは行えなかったが、それが逆に神秘的なサウンドともよく合いカリスマ的な人気を作り上げていった。
初期4ADのイメージを決定づけたのは間違いなくコクトー・ツインズであり、本作は82年のデビュー当時から90年までのシングルを中心に32曲を集めたもので、初期のもっともピュアな世界から『ヘッド・オーバー・ヒールズ』('83)、『トレジャー』('84)といった代表作に通じる世界を感じさせるものとなっており、80年代イギリスの音楽シーンを語る上でも欠かすことの出来ないサウンドが詰まっている。

