

惜しくも97年に解散してしまったグループの後期を2枚組にまとめたもの。初期とは違ったアプローチを見せるなど、意欲的な姿勢が残されている。
同郷のスコットランドのグループ、シンプル・マインドの初期の未発表曲から名前を取ったと言われるコクトー・ツインズのインディ・シーンにおける80年代の人気は非常に大きく、また4AD・オール・スターズとも言うべきプロジェクト、ディス・モータル・コイルでのエリザベスの素晴しい歌唱、メンバーであるサイモンの音作りでの貢献などもあってコクトー・ツインズとしての評価もさらに広く高まっていった。
そのあまりに英国的なサウンドのせいもあってなかなか本国以外に人気が広がりにくかったが88年にアメリカの配給をキャピトル・レコードとし、その後出した『Heaven Or Las Vegas』('90)などをアメリカでもヒットさせ人気をよりポピュラーなものとする。その後、90年代に入っても新しいサウンド作りに挑戦するなど、さまざまな形で実験的な姿勢を見せていたが97年に解散を発表。その音楽性と共に孤高なイメージのまま封印されることになった。
本作はそんな彼らが93年から96年に発表したシングルを中心にまとめたもの。初期の重層的な音によって深い森の言霊を思わせるような世界とは違ったアプローチなど、興味深いトラックも数多いもの。ニュー・ウェイヴ・リバイバルの流れの中でもっとも再評価の熱が大きなコクトー・ツインズだけに、こうした作品によってさらに新しいファンも増えることになるはずだ。

