

エリザベス・フレイザーの静謐な歌声で80年代イギリスでカリスマ的な人気を得た4ADを象徴するグループが84年に発表した傑作アルバム。
グループが結成されたの1979年スコットランドでのこと。友人で、音楽を始めていたギターのロビン・ガスリーとベースのウィル・ヘッジー(その後、サイモン・レイモンドに交代)がエリザベス・フレイザーの個性的なヴォーカルに出会ったことからだった。グループ名を、当時、大人気だったスコットランド出身のシンプル・マインズのナンバーから付け、デモ・テープを4ADに送り、それがオーナーのアイヴォ・ワッツ・ラッセルに認められ82年にデビューを飾る。
<パンク〜ニュー・ウェイヴ>以降の流れの中で、従来のロック的なサウンドに収まらないグループが沢山出てきて衝撃を与えていた時代であったが、その先頭に立ったのがコクトー・ツインズであり、ジョイ・ディヴィジョン、ヤング・マーブル・ジャイアンツといったアーティストたちの世界に通じる内省的なサウンドで注目を集める。とくにエリザベスの瞑想的なヴォーカルは他のバンドでは決して作り得ない世界を構築したものの、やや自閉的とも思えるエリザベスの性格のせいもあり、派手な活動やプロモーションはあまり行わなかった。しかし、それが逆に神秘的なサウンドともよく合いカリスマ的な人気を作り上げてもいった。
これは84年にサード・アルバムとして発表したもので、4ADのオーナーの名前をタイトルに使った「アイヴォ」に始まり、脂ののりきったエリザベスのヴォイスを堪能できるものになっている。インディ・シーンはもちろんのことナショナル・チャートにもランクインするほどのヒットとなり、グループは当然ながら、4ADも大注目される要因となった初期コクトー・ツインズの代表作の一つ。

