

90年代初頭、アメリカの<グランジ〜オルタナティヴ>ムーヴメントの扉を切り開いた重要グループであり、現在、再評価が世界的に高まるピクシーズの最初の絶頂期がここにある。
改めて現在のミュージック・シーンに与えた影響が再評価され、人気を集めているのが1986年アメリカのボストンで結成されたピクシーズだ。ヴォーカル、ギターのフランク・ブラック(ピクシーズ時代はブラック・フランシスと名乗る)を中心に、ギターのジョーイ・サンチャーゴ、ベースのキム・ディール、ドラムスのデヴィッド・ラヴァリングというメンバーで活動を始めたグループは、リハーサル・スタジオが同じだったスローイング・ミュージズがイギリスの4ADに認められ、デビューを飾ったことに触発され彼らもデモテープを送り、それがきっかけとなって4ADと契約を結ぶ。
静と動の振幅が激しいサウンド、フランク・ブラックの書く親しみやすいメロディ、イマジネイションに富んだ歌詞などの魅力が最初から高く評価され、人気エンジニアのスティーヴ・アルビニを迎えた『サーファー・ローザ』('88)によってその人気を確立する。
しかし本国アメリカでの反応はなかなか渋くて、展開が進まなかったためグループは積極的にイギリス・ツアーを行い、人気の足場をさらに固めていき、この『ドリトル』を大ヒットさせたのだった。イギリスではインディ・シーンを突き抜け、全英チャート8位まで上がったアルバムはグループをよりポピュラーにしたし、アメリカのインディ系のグループへの注目度をさらに高めた。
ニルヴァーナやマッドハニーといったサブ・ポップのグループのレコードが知られるようになるのもこの頃のことで、それぞれが一体となってシーンを急展開させていった空気もここには詰まっている。

