

ピクシーズのキム・ディールとスローイング・ミュージズのタニヤ・ドネリーによって開始され、4AD屈指の成功を収めた女性プロジェクト・バンドのデビュー作がこれだ。
始まりは、同じくアメリカのボストンを拠点とし、リハーサル・スタジオも同じだったりと顔なじみだったピクシーズのキム・ディールとスローイング・ミュージズのタニヤ・ドネリーが、それぞれのグループではやれない音楽的なアイデアを具現化するために始まったサイド・プロジェクトだった。
ピクシーズにはフランク・ブラック、ミュージズにはクリスティン・ハーシュという強力なソングライター&パフォーマーがいたため、なかなか自分たちのやりたいことが出来なかったためでもあったが、音楽的な相性の良さもあってこのデビュー・アルバム『Pod』では互いのバンドでは出来ない世界が繰り広げられ人気を集める。とくにアメリカでの反応がよかったのが面白い。
しかし本作後、タニヤが自身の音楽性を追求するためにこのプロジェクトからは抜け、ピクシーズもまた解散となったためにキムの姉妹のケリーを加えて本格的にグループとして活動するようになる。その第一弾シングル「Cannonball」が大ヒットして一気にアメリカのオルタナティヴ・シーンでもっとも成功した女性バンドとなる。そのシングルを含む『Last Splash』もヒットしてグループの活動は軌道に乗るものの95年にケリーの麻薬問題が発覚し、活動は再び大きく変化してしまい、現在は再びピクシーズが活動しているために休業状態。
アルバム毎でちょっと雰囲気は違うのだが、その原点であり、多方面の魅力のエッセンスを収めているという意味で本作の重要度は計り知れないものがある。23エンヴェロップによるいかにも4ADらしいジャケットも美しい。


