

87年に4ADが気合いを入れて取り組んだプロジェクトのオムニバス盤。看板グループらの未発表曲を中心に4ADならではの美学を前面に押し出した作品。
順調に進んできたレーベル活動の成果を記念し企画され、87年に豪華ブックレット付きでアルバムが発表され、同時に非常にアート指向の強いヴィデオ作品もリリースされた。それぞれが独立した作品でありながら、重なりあうことによって、よりアートとしての奥行きやその世界を深めるという、まさに4ADならではのプロジェクト作品となっているのが大きな特徴だ。
コクトー・ツインズ、デッド・カン・ダンス、スローイング・ミュージズ、ジス・モータル・コイル、ディフ・ジュズ、クラン・オブ・ザイモックス、ウルフガング・プレスといったアーティストたちが、アルバムには未収、未発表ナンバーを提供しているが、それぞれのアーティストの個性をくっきりと反映したもので、コクトー・ツインズやデッド・カン・ダンスのトラックは美しく、アルバム・タイトルが取られたスローイング・ミュージズのナンバーは、アメリカのオルタナティヴ・ミュージックの全盛時代を先取りしているなど、今でも聞きどころは多い。
総花的にレーベルをまとめたものではないが、アートとしての独自の世界を持ったアーティスト、グループとのコラボレイトを追求していた初期4ADの姿を感じ取るには、こうした非常にコンセプチュアルな作品の方が似合っているはずだ。
それらのアーティストが提供した映像作品も、単なるPV的なものではなく音世界をしっかりと反映したヴィジュアルが多く、それが音と共鳴し合ってトータルな完成度を高めている。4ADが初期ファクトリーなどと並んで特別なレーベルとして伝説的に語られる一因は、こうしたアーティスティックな作品作りにあり、その純度の高い世界は今の新しい世代の方が容易に受け入れられるはずだ。

